松本賢一 コインの法則 心理カウンセリング 本心の専門家 松本賢一

HOME >> コラム
>>  自分に対する恐れ

自分に対する恐れ

僕の友達にMさんという女性の方がいるんですが、
Mさんは離婚経験者で2人のお子さんがいらっしゃいます。

そのMさんに彼氏ができたのですが、
その恋愛に対して更に踏み込めない自分がいる。

それは彼女曰く、過去に自分は一度離婚をしているから、
また同じことをしてしまったらどうしよう、
という『恐れ』からだそうです。

 

最初は『恐れ』があるなんて、Mさんは気づいていなかった。
僕のところに「なんで彼とうまくいかないのかな?」といった相談のメールが届いたのですが、
その状況が僕には手に取るようにわかった。

だから「Mさんは何か恐れているでしょ。」ってメールを送ると、
「離婚をした後もいくつかの恋愛はしてきたけれど、どれもうまくいかなかった。

だから、また同じようなことを繰り返したら、って考えると、
これ以上踏み込めなくなってしまう。」と返事が届きました。

 

この場合、過去のトラウマじゃないけれども、Mさんにとっての嫌な思い出が、
心のクセを『恐れ』を作り出していたんです。

このように、過去の嫌な思い出や悲しい経験などと常に結び付けて考えるのは、
実は人間の脳のはたらきによるもののようです。

脳科学の観点から見ると、脳の学習則というのは
物事の起こった順序が学習にきわめて重要な影響を与えるようで、
次のように説明されています。

 

「脳は強い刺激を受けとるよりも時間的に少し前に入力されていた情報を、
この強い情報と関連づけて学習する性質がある」

「脳はその学習則によって、ある事象と時間とを連関させて記憶している。

そしてこうして順序だてて積み重ねられた記憶は、
何か衝撃的な事件に遭遇することによって、 覚えた時間順序に従ってプレイバックされることがある」(『愛は脳を活性化する』松本元著・岩波科学ライブラリー)

 

これをもとに考えると、Mさんの場合であれば、
「この人とずっと一緒にいたい」という気持ちが出てくると、
「過去に辛い、悲しい思いをして離婚をした」という記憶が思い出されてくる。

そうすると、自分自身に対する『恐れ』というものは、
脳が学習をした結果、「自分をこれ以上傷つけたくない」という、
自分自身への優しさからくるものなのかな。
まさに自分自身を愛しているからなのかな。

 

 わかりやすく言いますと、あなたに気になる人ができたとしますよね。
そしたら、こんな恐れが出てきた経験があるでしょ。

「話しかけてみたいな→でも、そっけなくされたらどうしよう」
「メールアドレスを教えてほしいな→嫌な顔をされたらどうしよう」
「食事に誘いたいな→断られたらどうしよう」

まだ実際に行動を起こしたわけでもないですし、
既に相手に断られたり、嫌われたりしたわけでもないにもかかわらず。

でも、物事の状況を第三者的な立場から見直してみるとよくわかるのですが、
物事が上手くいかなかった場合、過去の嫌な思い出や悲しい経験が直接の原因ではない、ということが見えてくるはずです。

 

例えばMさんの場合でいうと、相手も違えば、
2人の置かれている状況もこれまでの経験も環境も、今までとは違うわけですから。

ただ、これまでに経験してきたことでしか、
結び付けられるものがないので、そうやっている。

 

でも不思議なもので、そうすることで自分の中では変に納得できてしまうんですよね(笑)。

確かに、過去の経験と結び付けてしまえば、
うまくいかない理由を人に説明するのもしやすいですし、伝わりやすい。

でももしかすると、それがいつのまにか本当の理由になって、
『心のクセ』に繋がっていくのかもしれません

一覧へ戻る