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僕の方こそ

以前に読んだ、書籍の中で、心温まるエピソードがあったのを覚えています。
その本を失念してしまいましたが、ここではその内容をご紹介いたしましょう。

 

中学生になる男のお子さんを持たれたお母様からの投稿記事でした。

 

その息子さんが、通学途中に事故に遭われて、病院へかつぎ込まれました。
原因は、赤信号で飛び出してきた息子さんのところに車が避けきれず、
ぶつかってしまい、そのままはね飛ばされてしまったのです。

 

昏睡状態のまま、数日間が過ぎました。

 

毎日のように、加害者の人はお見舞いに来ては、何度何度もご両親に頭を下げます。
仕事を抱えているであろう加害者の方は、時間が許す限り、ずっと息子さんのそばで
意識が戻るのを祈っていました。

 

当初は、加害者に対して憎しみばかり抱いていたご両親も、
次第に、一日でも早く、息子の意識が戻って欲しいと願うようになりました。

 

事故から数日経過した、ある日のこと。
ご両親と加害者の方が見守る中、息子さんの意識が回復しました。

 

お医者さんから「私たちのことが分かる?」と聞かれ、はっきりとうなずく息子さん。
ついに、意識が回復したのです。

 

そのことにたまらず、加害者の方は、息子さんの手を握りしめ、

 

  「ごめんね!本当に、ごめんね!苦しい思いをさせて、本当にごめんね!!」

 

と息子さんに許しを懇願するように、頭を下げていました。

 

それに対して、息子さんは、こう答えました。

 

  「僕の方こそ・・・飛び出したりして、ごめんなさい・・・」

 

それを聞いた加害者の方は嗚咽を隠さず、人はばからず、大きな声で泣きました。
そして、その場にいた、全員が、息子さんの言葉に涙したのです。

 

そして、お母様は思いました。
この子は、なんて人の心を思いやれる息子なんだろうと。

 

自分から飛び出したとは言え、責められても仕方のない加害者を
地獄から救った息子さんの言葉に、お母様はどれだけ自分の息子が
素晴らしい人間かを深く知ることになったのです。

 

それから、順調に息子さんは回復し、しばらくすると、
また元気に学校へ通うようになりました。
もちろん、事故の後遺症もありません。

 

そして、事故を起こした方は、定期的に息子さんに会いに来てくれて、
今では、家族のようにお付き合いを続けているそうです。

 

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このエピソードが語るように、
たった一言で人が救われることがあります。

 

どこかにいい話がないかなと、人からの電文を待つのではなく、
私たちそのものがメッセージの送り手になるべきです。

 

そして、私たち自身が、息子さんのようになっていく必要があります。

 

今日、出会う人たちに、周りの人たちに、愛を持って、何を伝えるか。
素敵な世界を作っていくのは、他でもない、私たちの生き方そのものなのです。

 

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