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負け犬スパイキーの物語

「信じる力」という点から、アメリカの作家に関する
僕の一番好きなエピソードを一つ紹介しましょう。

彼は学校でも全然目立たない少年で、
小学校のテストで恥ずかしいくらいの点数を取って以来、
「負け犬スパイキー」というあだ名を付けられました。
おまけに女の子に話しかけられたりしようものなら、
びっくりして逃げ出してしまうほど
気の弱い性格でした。

そんな彼は小さい頃から漫画を描くことが
とっても大好きだったんですが、中学生のとき、
卒業文集にどうしても自慢の漫画を載せてもらいたくて、
委員会に漫画を提出したんです。
しかし漫画が得意だと思っていたのは自分だけのようで、
結局は提出した漫画は全部つき返されてしまうんですね。

その後大人になった彼は、漫画が得意だと
思っていましたのでディズニーの採用試験を受けるんですが、
当然落とされるわけですよ。
彼自身は得意だと思っている漫画でしたが、
誰もその才能を認めてはくれなかったんです。
しかし、それでも彼はその後も漫画を描き続けた。
その結果、後に小さかった頃の自分をモデルに描いた漫画が、
スヌーピーとチャーリー・ブラウンが登場する
「ピーナッツ」として世に広まるんです。

「負け犬スパイキー」と呼ばれた彼の名は、
そうチャールズ・シュルツです。
http://www.snoopy.co.jp/archives/artist/index.html

彼は、自分がどれだけ周りから否定されようとも、
「自分は漫画が得意だ」と信じて、漫画を描き続けた。

『ピーナッツ』を読んでいただくと
わかると思うんですが、常に弱者の視点から描かれた
ストーリーという、彼独自のスタイルがそこには
あるわけです。

『ピーナッツ』をまだ読まれたことがない人は、
是非、読んでみてください。
大人が読めば本当に勉強になります。
例えばこんな話があるんですが、

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チャーリー・ブラウン:「ねえねえ、スヌーピー。僕ね、今日、最後の
打席で満塁ホームランを打ったんだよ。
すごいでしょ!」

スヌーピー:「そう、すごいね。でも打たれた
ピッチャーはどう思うのかな。」

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で終わっているんです。
この弱者からの視点というのは、チャールズ・シュルツが
常にそういう立場だったからこそ描ける内容なんですね。
決して彼は強者じゃなかった。

そこから生まれたのがチャーリー・ブラウンなんですが、
チャーリー・ブラウンはまさに彼自身だったようです。
ドジで、のろまで、女の子にはガーガー言われるでしょ。
のちに彼は億万長者になったわけですが、
それでもアシスタントを付けることもなく、晩年まで
スヌーピーをずっと一人で描き続けたそうです。

今でもその書斎は残っているんですが、
小さな部屋で、週に一本、描き続けた。
この話を読んで、僕は本当に「信じる力」というのは
すごい、と思わざるを得ませんでした。
周りから否定されたにもかかわらず、なぜそこまで
自分を信じることができたんでしょうか。

もし彼が途中で、漫画を描くことを止めてしまっていれば
スヌーピーは生まれなかったんです。
でも彼は描き続けた。

なぜでしょう。
チャールズ・シュルツはこう語っています。

「自分には何かできるはずだ。そう思っていつも描いてきた」

精神的な核となるものは何なのか・・・。
やっぱり信じる力なんでしょう。

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